溺愛王子サマ達と秘密の同居

「案内してやるよ」

「え?」

「寮まで。どうせ場所わかんねーんだろ」

「そ、それは……そうだけど」

「なら決まり」

 そのままくるっと背を向けて歩き出してしまう。
 強引すぎる。ほんとに何なの、この人。

 でも、置いていかれて迷子になるのも困る。
 わたしはあわててあとを追いかけた。

「ま、待って!」

「おせー」

「あなたが勝手に歩き出すのが早いの!」

「口答えするなよ、新入り」

「だれのせいでこうなってると思ってるの!?」

 すると彼は足を止めて、肩越しに振り返った。
 さらっと風に揺れた髪のすき間からのぞく瞳が、まっすぐわたしを射抜く。

「俺は、皇玲央」

「……え?」

「それくらい覚えとけ」

 その名前を聞いた瞬間、わたしは目を見開いた。

 皇玲央。
 その名前、知ってる。
 知らないはずがない。

 だってそれは、かつて世間を熱狂させた元伝説級アイドルグループ Shine4 の、絶対的センターの名前だったから――。