「るい、困らせたらだめだよ」
振り向くと、そこにいたのは、思わず息をのむくらい整った男の子だった。
やわらかな茶色の髪に、やさしく笑う瞳。
立ってるだけなのに空気がふわっとやわらかくなるみたいで、まるで本物の王子様みたい。
「ごめんね。るい、悪気はないんだ」
「え、あ……うん」
「俺は 天ヶ瀬悠真。よろしく」
そう言って微笑まれるだけで、心臓が変な音を立てる。
なにこの人、まぶしい。
優しそうだし、ちゃんとしてるし、さっきの玲央と同じグループだったなんて信じられない。
「荷物、重いよね。部屋まで持とうか?」
「えっ、いいの?」
「もちろん」
悠真が自然に荷物へ手を伸ばした、そのとき。
「……甘すぎ」
小さく落ちた声に、みんながそっちを見る。
窓際。
長い脚を組んで本を読んでいた男の子が、ゆっくり顔を上げた。
黒髪。
涼しげな目元。
近寄りがたいくらいきれいなのに、その表情はどこか不機嫌そうで冷たい。
「転入初日に世話焼きすぎだろ」
「朔夜、そんな言い方しなくても」
「別に間違ってない」
彼は本を閉じると、じっとわたしを見た。
その視線が、なぜかすごく鋭くて、ぞくっとする。
「……こいつ」
「え?」
「なんか隠してる顔してる」
心臓が止まるかと思った。
「なっ……!」
え、なに、どうして!?
いきなりそんなこと言う!?
わたしが固まっていると、彼はふいっと視線をそらした。
「まあ、興味ないけど」
あるよね!?
今の絶対ちょっと気になってたよね!?
「こいつは 橘朔夜」
玲央がそっけなく紹介する。
朔夜は「どうも」とも言わず、また本を開いてしまった。
「ごめんね、朔夜ちょっと人見知りで」
悠真が困ったように笑う。
「人見知りっていうか、ツンツンしてるだけじゃん」
「るいうるさい」
「ほらね」
るいが肩をすくめて笑う。
そのやりとりに少しだけ場の空気がやわらいで、わたしはこっそり息をついた。
でも、安心なんてしていられない。
振り向くと、そこにいたのは、思わず息をのむくらい整った男の子だった。
やわらかな茶色の髪に、やさしく笑う瞳。
立ってるだけなのに空気がふわっとやわらかくなるみたいで、まるで本物の王子様みたい。
「ごめんね。るい、悪気はないんだ」
「え、あ……うん」
「俺は 天ヶ瀬悠真。よろしく」
そう言って微笑まれるだけで、心臓が変な音を立てる。
なにこの人、まぶしい。
優しそうだし、ちゃんとしてるし、さっきの玲央と同じグループだったなんて信じられない。
「荷物、重いよね。部屋まで持とうか?」
「えっ、いいの?」
「もちろん」
悠真が自然に荷物へ手を伸ばした、そのとき。
「……甘すぎ」
小さく落ちた声に、みんながそっちを見る。
窓際。
長い脚を組んで本を読んでいた男の子が、ゆっくり顔を上げた。
黒髪。
涼しげな目元。
近寄りがたいくらいきれいなのに、その表情はどこか不機嫌そうで冷たい。
「転入初日に世話焼きすぎだろ」
「朔夜、そんな言い方しなくても」
「別に間違ってない」
彼は本を閉じると、じっとわたしを見た。
その視線が、なぜかすごく鋭くて、ぞくっとする。
「……こいつ」
「え?」
「なんか隠してる顔してる」
心臓が止まるかと思った。
「なっ……!」
え、なに、どうして!?
いきなりそんなこと言う!?
わたしが固まっていると、彼はふいっと視線をそらした。
「まあ、興味ないけど」
あるよね!?
今の絶対ちょっと気になってたよね!?
「こいつは 橘朔夜」
玲央がそっけなく紹介する。
朔夜は「どうも」とも言わず、また本を開いてしまった。
「ごめんね、朔夜ちょっと人見知りで」
悠真が困ったように笑う。
「人見知りっていうか、ツンツンしてるだけじゃん」
「るいうるさい」
「ほらね」
るいが肩をすくめて笑う。
そのやりとりに少しだけ場の空気がやわらいで、わたしはこっそり息をついた。
でも、安心なんてしていられない。



