溢れるほどの幸せをくれた君に、もう一度会えますように。

「うん……ありがとう、お姉ちゃん」

そう言って、私の手を冷たい風から守るようにぎゅっと握りなおしてくれた静音のあったかい手は、
やっぱり少しだけ震えていた。

生徒たちで混み合う昇降口に入り、三年生と二年生のそれぞれの下駄箱で別れる。

「じゃあね、お姉ちゃん。また放課後にね」

控えめに小さく手を振って、自分の教室がある階段へと歩いて行く静音の後ろ姿。

その背中が人混みに消えていくのを見届けた瞬間、私の顔からいつもの "優しいお姉ちゃん”の笑顔が消えた。

三年生の自分の教室へと向かう階段を一段ずつ上りながら、私は心の中で冷たくつぶやく。

ーーさぁ、静音を苦しめるいじめっ子たちはどこだ。私の2度目の冬のリベンジは、これからだ。