双恋〜大好き、でも譲れない!〜

​人、人、人。


​「谷ヶ市高校」の体育館脇に張り出された1年生のクラス発表掲示板の前は、まるで満員電車みたいな熱気に包まれていた。

​「きゃーっ! 私A組だー!」

​「うそ、私C組! 離れちゃったじゃん〜!」

​飛び交う歓声と悲鳴。人波をかき分けながら、私とまっちゃんは必死に掲示板へ近づこうとする。

​「ち、ちづちゃん……! 人がすごすぎて見えないよ〜!」

​「まっちゃん離れないでね! えーっと、涼宮は……」

​背伸びをしてクラス分け票を見ようとした、まさにその時だった。

​後ろから大きな男の子の集団がドッと押し寄せてきて、強い衝撃が背中に走る。

​(えっ、うそ、倒れる——!?)