双恋〜大好き、でも譲れない!〜

​1番の男の子から順に、緊張した面持ちで短く自己紹介が続いていく。
​
そして、6番目。彼がだるそうにスッと立ち上がった。

​「鳳 朔(おおとり さく)。よろしく」

​低い、けれど通る声。

​必要最低限のことだけ言ってすぐに席に座る姿に、教室の女子たちが一瞬ざわついた。

​(鳳……朔くん……)

​心の中で、その名前をそっと反芻する。

​ついに名前を知ることができた感動と、あの手つきの優しさを思い出して、胸が熱くなっ
た。

​「鳳くん……かぁ……」

​後ろでまっちゃんが、うっとりした瞳で彼の名前を呟いていた。