双恋〜大好き、でも譲れない!〜

​無事に1年A組の教室にたどり着いた私たちは、黒板に貼られた座席表を確認する。
​
谷ヶ市高校の最初は、伝統の「五十音順」だ。

​「やっぱりね〜! 今回も前後だ!」

​「ふふ、小中からずっとこうだもんね。安心感あるわ〜」

​私のすぐ後ろが、まっちゃんの席。

​歓喜というよりは「いつものやつね」という謎の安心感を覚えつつ、私たちは指定された席へ荷物を置いた。

​周りを見渡すと、新しいクラスメイトたちが緊張混じりの面持ちで挨拶を交わしている。

​(助けてくれたあの人は……別のクラスだったのかな……)

​少しだけ寂しいような、ホッとしたような気持ちで自分の席に座り、バッグから教科書を出そうとした——その時。