タカ君は、空いたグラスを下げに来たウェイターにウイスキーをストレートで注文した。

私は水割りを頼んだ。

なんだか、お互いに言葉を失ってしまった。

私とタカ君も、わかり合えない者同士、なのかな。

そんな風に考え始めたとき、タカ君が言った。

「話し合えば、理解できるというなら、話してくれませんか?

真山さんと何があったか。

俺も、美雪先輩を理解したい」

ドキッとした。

てっきり嫌われたかと思っていたら、『理解したい』だなんて。

私はタカ君をまじまじと見つめた。

タカ君は、真剣な表情だ。

彼なら、信頼できる、そう思えた。

いや、煮詰まって、誰かに聞いて欲しかっただけかもしれない。

アルコールのせいだったかもしれない。



私は、ぽつりぽつり、話し始めた。