ケンカの天才は、王子様に勝てない。

「ふぁ~…」

あ、もうホームルーム始まってるのにあくびしちゃった。

宿題が全然終わらなくて寝るの遅くなっちゃったんだよね、担任の平中(ひらなか)先生がなんか話してるけどちーっとも頭に入ってこない。

めがねをかけた平中先生はふわふわの天然パーマの男の先生で見た目はがっちりしてるけど話したら声はおっとりしてる、あたしたちのクラスでは結構人気の先生。

なんだけど、今日の平中先生はいつもの話がやたら長くて。

ちょっと遅れてーとか、うちのクラスに仲間がーとか、バラバラっと何か言ってるのは聞こえてるけど眠さのあまりちゃんと聞いてなかった。


「では転校生を紹介します」


だからつい、顔を見て叫んじゃった。


「天理巡(てんりめぐる)くんです」


昨日見たあの顔を、忘れるなんてことできなくて。


「キラキラ王子!」


立ち上がって指までさしちゃった。

先生に呼ばれて教室の中に入って来た男の子は昨日会った、すっごーく顔のキレイな男の子だったから。