ケンカの天才は、王子様に勝てない。

そうだ!と思い出したかのようにぐったり倒れた男の子のところへかけ寄った。

あんな弱いやつらでも3人もいたら敵わないよね、あたしならあと5人いても余裕だけど普通ならきっと怖い思いをしてー…

「あの、大じょ…っ」

倒れた男の子の前にしゃがみ込んだ。

暗かったから気づかなかったんだ、ただ倒れてるってことしか。


今初めて顔を見た、男の子の顔を。


「うん、…大丈夫」



すっっっごぉーーーいキレイな顔した男の子だ…!



透き通るみたいは肌はなめらかで、すーっと伸びた鼻にくりんと大きな瞳はじっと見ていたくなる。
灯りなんか大してないのにキラキラしてるから、もはやお顔がピカーッて光ってるみたいにキラキラして…


「ありがとう、助けてくれて」


こんなキレイな男の子初めて見る。

こんな子、どこに住んでたんだろう…


「あの…?」

「あ…、うん!よかった、大丈夫なら!」

ついつい見入ちゃった、髪の毛もツヤサラでうらやましくて。

ゆっくり起き上がった男の子は、たぶん同じくらいだよね?あんま変わらないように見えるし。

「本当にありがとう、えっと…」

「あ、気を付けた方がいいよ!この辺あんなのいーっぱいいるから!」

「そうなの?」

「うん、あれたぶん隣…近くの中学のやつらなんだけど、ロクなことしないから!」

「そっか、わかった気を付けるよ」

のっそのそと起き上がったらパンパンと服についた砂を払った。

きっとケンカなんかしたことないんだろうなぁって思うくらい傷ひとつない肌で、むしろ傷もつかないぐらいつるっとしてて。

だけど立ち上がってみたらちゃんと男の子だった、少しだけどあたしより背が高くて見上げちゃった。

目を合わせたら、にこっと笑うから…

「じゃあ、またね」

ドキッ、って心臓が声を出した。

どんな星空よりキレイな顔をしていたから。

「……。」

でもひ弱そうだ。
ボロッとなった服を着て歩いて行く後ろ姿はちょんって押したらすぐに倒れそうなくらい、弱そう…

「え、またね?ってなに??」