ケンカの天才は、王子様に勝てない。

強いあたしが好き。

強いからこそ得られるものがある。


強さこそがすべて、あたしのすべて。



そう思って生きてきた。



「だからっ」

「やべぇ、王子にもブレね~!」

今度は男子たちがさわぎ始めた、さっきまで女子たちが王子にキャーキャー言ってたのが気に入らなかったみたいでうぇーいって急に盛り上がりを見せちゃって。

それはそれであたし的にはちょっと不満だったけど、だけどそうやって育ってきたんだもん。


あたしはそうやって育てられたの、簡単にはゆずれないんだ。


「三千華は慎一さんがタイプなんだもんね!」

「七瀬っ」

ぎゅっと後ろから抱きついてきた、ちょこんっとあたしの肩に顔を乗せて“ねっ”てこっちを見てる。

慎一お兄ちゃんがタイプとかそんなんじゃないけど、慎一お兄ちゃんのことは尊敬してるしすごいなぁって思ってるのは本当。
もちろん彰二お兄ちゃんのことも、尊敬してる。

だから別にそうゆうわけじゃないし、慎一お兄ちゃんみたいになりたいって思ってるだけで…


だけど王子は変わらずにこって笑ったから。


「じゃあ僕が強くなったら仲良くしてくれる?」


王子こそブレない、じっとあたしを見てるんだもん。

「それはー…」

「あ、音楽室!」

耳元で七瀬が大きな声を出したからびっくりした。

でもそんなことよりそうだった次は音楽室へ移動しなきゃなんだった!王子との話に夢中でみんな移動してないし!

時計を見ればあと3分、あわててみんなで走って音楽室へ向かった。
ギリッギリのすべり込みで音楽室に入ることになった。