ケンカの天才は、王子様に勝てない。

「ありがとう、みんなの気持ちはうれしいよ」

あ、王子は受け入れるんだ。
そこはあっさり受け入れるんだ。

王子って呼ばれてまんざらでもないみたいな顔してる。

でもこれであたしの役目はないかと思った、誰か代わりに案内してくれる人がいるならもうあたしはいいかって…


思ってたんだけど?


「だけど僕は三千華ちゃんがいいんだ」


ゆっくり立ち上がったから、あたしの方を見ながら。

「え…?」

パチッて目が合っちゃった。
大きく見開いた目が、キラキラ王子のぱっちりした目と。


だから、なぜ??


「僕は三千華ちゃんと仲良くなりたいんだ」


そんなハッキリと、クラスのみんなに聞こえるぐらいハッキリと。

前に立って、座るあたしを上から見る。

その瞳は大きくてあたししか映ってなかった。

「どうかな?三千華ちゃん」

キラッと笑うたびに光る。

何が?って言われたらわからないけど、笑うたびきらめく気がした。

「あたしは…」

ごくんっと息をのんで、じっと見つめられた瞳を見返した。

すぅっと息を吸ってあたしもゆっくり立ち上がる。

真っ直ぐ前を見て、大きな声でー…


「ごめん、あたし強い人にしか興味ないの!」


ふんっと鼻を鳴らしてどんっと胸を張った。