ケンカの天才は、王子様に勝てない。

あ、やっちゃった…!


クラス中がこっちを見てる、気まずくて手を下ろしたいけどカチッて固まっちゃって動かない。

しかも変なこと言っちゃった、キラキラ王子って。

「白井さんの知り合いかな?」

平中先生が首をかしげて聞いてくるけど、別に知り合いってわけじゃ…
昨日ちょっと会っただけで、そんなに話したわけでもないし名前だって今知ったばっかりなんだけど。

だからなんて答えようか…


「そうです、友達なんです彼女と」


迷ってたらあたしより先に答えてた、にこっと笑って。

その瞬間、教室がキャーッて女子たちの声でいっぱいになった。

「だから出来たら、彼女の隣がいいんですけど…ダメですか?」

え、何言ってるの!?

ダメだよ、そんな上目づかいで見てもダメ!
勝手に席決めるなんてダメに決まって…っ

「いいよ」

平中先生!!?
いいんですか!?

そんな簡単に言っちゃってっ

「初めて来た場所だもんね、せめて知ってる友達の隣がいいよね」

だから友達でも何でもなくてただ昨日ちょっと会っただけ…
なのにあっという間に決まってしまったから、あたしの隣に座ることが。

「天理巡です、よろしくね」

1番後ろの窓ぎわの席、隣に新しく机が置かれることになった。

キラキラ眩しいお顔があたしを見て、にこってほほえみかける。

「…よろしく、お願いします」

なんだか緊張しちゃって上手く返せなかった。