そんな母の様子を伺っていると、さっきから椅子に座っている人物に話しかけていた。
「雅陽くん、ごめんなさいね〜。うちの娘が失礼で。」
「いえ、僕のことはおかまいなく。」
そう二人で話していた。
そしてどこかで聞き覚えのある名前が、母の口から聞こえたような?
「ほら〜桃萌もこっちに来て挨拶しなさい!」
私がさっきから突っ立っていたので、痺れを切らしたお母さんが私を呼ぶ。
そしてその人物の前に立ち、挨拶をするために顔をあげた。
「………は?」
第一声はまずこれだ。……うん、私は幻覚を見ているのかもしれないな。だって彼がうちにいるなんてありえないのだから。
だ、だけど万が一本人だったらあれなので、もう一度顔を確認するために逸らした視線をぶつけてみた。
「どうも、僕は有栖川 雅陽です。ある意味初めましてかな?姫宮 桃萌さん。」
と、目の前の彼は自分の名前と私の名前を言った。
やはり間違えではないようだ。なんで、なんで、なんで、どうしてだ!!!!!?
「あ、あ、有栖川 雅陽ーーーーーーーー!!!!!?」
私の叫び声が家中に響き渡った。


