唯織くんは素直にデレない

いつまでもいつまでも見送り続け、そしてとうとう彼女の姿は1ミリも見えなくなった。

その途端。

唯織は急にヒザをガクッと折ると、地面に両手をついて四つんばいでうなだれた。

「あああああ〜、俺のバカバカバカバカっっ!! またっっ!! また紬生ちゃんに憎まれ口を叩いてしまったあああ!」

泣き声をあげる唯織に、比土が依然苦しそうに顔をしかめながら聞き返す。

「え、え? なに?」

「紬生ちゃん、乱暴な男はきらいみたいなんだよォ。さっきもちょっと震えてたし! だから、だからっ! もう絶対ケンカなんてしないって決めてたのにィ〜!!」