英雄として死んだはずの夫が、隣国で結婚して私への褒美を盗みに来ました

 政略結婚でしかない私たちの関係だけど、それでもちゃんと少なくはない愛情を育ててこれたと思っていたのに。

「大丈夫。すぐに戻ってくるさ。そうしたらもう一度、全て一からやり直そう」
「結婚式も?」
「ああ。プロポーズするところからやり直すさ」
「次は指輪、ちゃんと忘れないでね」
「確かに。それが一番重要だ」

 いたずらっぽくアランは笑った。

 プロポーズの日に指輪を馬車に忘れて来る人なんて、きっとアレンくらいのものだろう。

 でもそんなエピソードすらも、私には愛おしい。