欲しがる妹に婚約者をあげたら、なぜかキレられました。これって私が悪いのでしょうか?

「だとしたら何か?」

 上着に手をかけながら悪女のように微笑めば、言葉かどうかも分からない罵声が飛んでくる。

 今までは考えたこともなかったけれど、こうやって怒らせるのって楽しいかもしれないわね。
 ちょっとだけミレイヌの気持ちが分かるわ。

「浮気だ!」
「それをあなたが言うの? なんだっけ? 体の関係がなければ浮気ではないのでしょう?」
「‼」

 まさか自分の言葉が自分に返ってくるとは思っていなかったのか、ルシアンは大きく口を開けながらただワナワナと震えていた。

 馬鹿みたい。
 どうして自分だけが特別だなんて思うのかしらね。

「それにもう私はあなたの婚約者ではないのよ。どこで何をしていようと関係ないじゃない」
「関係あるわよ!」

 私とルシアンの会話に、ミレイヌが割り込んでくる。
 二人は自分たちで決めて婚約したんだから、もう黙っていてくれればいいのに。