欲しがる妹に婚約者をあげたら、なぜかキレられました。これって私が悪いのでしょうか?

 夜会を抜け、外に出るとほんの少し冷たい夜風が心地いい。

 頬も体も、話しているうちに熱くなってしまっていたようだ。

 この時間が長く続けばいいのに。
 そんな馬鹿なことを思ってみても、馬車までの道のりはあっという間だった。

「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、とても有意義な時間だったよ」

 お互い手はまだ繋いだまま。
 馬車の前でこんな会話をするなんて、他の人から見たらどう思われるかしら。

 どこまでも体が熱く感じた。
 自分のものなのに、自分のものではないような不思議な感覚だ。

「では、また」

 私が手を離そうとすると、もう一度エドガー様が掴みなおす。

「風邪を引くといけないからこれを」

 そう言いながらエドガー様は、自分の着ていた上着を私に羽織らせてくれた。