欲しがる妹に婚約者をあげたら、なぜかキレられました。これって私が悪いのでしょうか?

 ああ、嫌だわ。
 私、すっかり当初の目的を忘れて会話を楽しんでしまうなんて。

 でも今さら仕事を紹介して下さいとは言い難いし、今回は楽しかったから諦めよう。
 そのうち機会があるかもしれないし。
 なかったらなかったで、自分で動けばいいだけだわ。

 今は何をするのも自由なのだから。

「アデライト嬢、いつかまた会えるだろうか?」

 そんな風に誰かに言ってもらえたのは、初めてかもしれない。
 いつだって、必要とされてきたのはミレイヌだけだから。

 どこまでも彼の言葉が嬉しくて、私は微笑み返す。

「もちろんですわ。お呼びいただけましたら、いつでも参上いたします」
「ありがとう。では、馬車まで送ろう」

 エドガー様はどこまでもスマートに手を差し出すと、そのままエスコートして歩き出した。