俺にだけ弱さを見せろ~無口な生徒会長の過保護な溺愛命令~

「放課後、終礼が終わったらすぐに来い。……遅れるなよ」

それだけを言い残すと、九条くんは私の返事も待たずに颯爽と背を向け、教室を去っていった。

嵐のような彼の去り際に、教室は一気に大騒ぎとなった。

「すごーい瀬莉奈ちゃん! あの生徒会長から直々に指名されるなんて!」

「やっぱり瀬莉奈ちゃんは学園一の天才なんだね!」

クラスメイトたちが興奮気味に私を囲んで祝福してくるけれど、私の頭の中は真っ白で、何も耳に入ってこなかった。

私なんか生徒会に入ったら、一瞬で「本当は天才なんかじゃない」ってバレてしまう。

器用貧乏で、何一つ100点が取れない偽物だってことが、皆に知られたら――。

数時間後。放課後のチャイムは無情にも学園中に響き渡った。

私は一人、生徒会室に向かっていた。

これがすべての始まりだったのだと、この時の私はまだ知る由もなかった。