『いつからか、君が特別だった』

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チャイムが鳴って講義が終わると、
湊くんの周りにはすぐに大勢の人が集まっていった。

男子からも女子からも「湊〜!」「湊くん」と
声をかけられていて、いつも通り輪の中心にいる。

爽やかで優しくて、誰からも人気のある湊くん。

サークルに入る前までは、
同じ大教室で見かけても遠くから眺めているだけで、
話す機会なんて一回もなかった雲の上の存在。

(……やっぱり湊くんは人気者だなあ)

ちょっとだけ寂しいような、
遠い存在に思えるような気持ちで
莉央と次の講義室に行く準備をしていると、
ふと強い視線を感じた。

人混みの隙間から見えたのは、
友達に囲まれながらも、
まっすぐに私を見つめている湊くんの姿だった。

(……え?)

目が合うと、
湊くんは周囲にバレないように
そっと小さく手を振って、
口パクで私に語りかけてきた。

『またあとで』

一瞬、息が止まるかと思った。

あんなに大勢の人に囲まれているのに、
湊くんは私を見つけて、私だけに合図をくれた。

胸が一気に熱くなって、

私はパッと顔が熱くなるのを感じながら、

嬉しさを隠しきれずにこくっと頷いた。