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一時限目。
講義が始まる直前、
急いで莉央ちゃんと後ろのドアから入ると、
斜め前の席に湊くんと蓮くんの姿が見えた。
(あ、湊くん……)
湊くんと目が合うと、
彼はパッと顔をほころばせて
小さく手を振ってくれた。
私も嬉しくなって、
胸の奥をキュッと掴まれたような感覚のまま、
小さく手を振り返す。
講義中、
教授が黒板に向かっている隙に、
湊くんが振り返って声をひそめて話しかけてくれた。
「紗季ちゃん、今日のサークル、何撮るか決めた?」
「あ、湊くん。ううん、まだ決めてないの」
教室内で、
教授に見つからないように
ノートで口元を隠しながらコソコソ話す時間は、
なんだか二人だけの秘密みたいでドキドキしてしまう。
「じゃあ、一緒にまた探そっか?」
「うん! 楽しみだね」
たったそれだけの約束なのに、
なんだか講義中の退屈な時間が
急にキラキラして見え始めた。

