5.私のせいじゃない
「私、昨日も言ったけど、氷室グループの娘なんだ。後継ぎで。だから、家が厳しくて。定期テストでも、満点で学年一位以外、許されなかった。だから、毎日、勉強漬けの日々だった。話すのは、家庭教師への、質問と、お手伝いさんへの、お願い、だけ。だから、一日に、何も話さない日も、あったんだ」
ぽつりぽつりと、話し始める。
「それで、自分が楽しいと思うような、ことも、なくて。本を読むのは、楽しかった、気がするけど。そうしたら、うまく、笑えなくなっちゃった。それで、冷たい、とか、ポーカーフェイス、とか」
「うん。それで……?」
「同級生たちは、友達と、話したり、してるから、コミュニケーション能力に、差が、出てきちゃったの」
クラスメイト達と、コミュニケーション能力の差が大きすぎた。
「若葉ちゃんは、仲良く、してくれるけど、話し方が、気持ち悪い、って」
泣きそうになってくる。
私が望んだことじゃない。
話したくなかったわけでもない。
なのに、人と話せない。
話したかったけど、話したかったけど。
私に話しかける勇気はなかった。
そのとき
「雪乃ちゃんはそんなことない!だって、誰だって能力に差があるものじゃん!そこは、『だったら私と同じ、満点取れる?』とか言っちゃっていいんだよ?」
「私、昨日も言ったけど、氷室グループの娘なんだ。後継ぎで。だから、家が厳しくて。定期テストでも、満点で学年一位以外、許されなかった。だから、毎日、勉強漬けの日々だった。話すのは、家庭教師への、質問と、お手伝いさんへの、お願い、だけ。だから、一日に、何も話さない日も、あったんだ」
ぽつりぽつりと、話し始める。
「それで、自分が楽しいと思うような、ことも、なくて。本を読むのは、楽しかった、気がするけど。そうしたら、うまく、笑えなくなっちゃった。それで、冷たい、とか、ポーカーフェイス、とか」
「うん。それで……?」
「同級生たちは、友達と、話したり、してるから、コミュニケーション能力に、差が、出てきちゃったの」
クラスメイト達と、コミュニケーション能力の差が大きすぎた。
「若葉ちゃんは、仲良く、してくれるけど、話し方が、気持ち悪い、って」
泣きそうになってくる。
私が望んだことじゃない。
話したくなかったわけでもない。
なのに、人と話せない。
話したかったけど、話したかったけど。
私に話しかける勇気はなかった。
そのとき
「雪乃ちゃんはそんなことない!だって、誰だって能力に差があるものじゃん!そこは、『だったら私と同じ、満点取れる?』とか言っちゃっていいんだよ?」
