春、ゆらり舞い散る花びらに最後の餞別を

「紗希さんはっ、いつだって深月さんのことを考えてたっ!」


胡桃ちゃんがいつもと違う激しい口調で私に叫ぶ。


「紗希さんが泣かないでどうするんですかっ、深月さんは貴女のために交通事故に遭って、記憶喪失になったんですよ。だから、泣い、ってもい、いんですっ、うっ、あぁ……」


胡桃ちゃんは手で顔を覆いその場に膝から崩れ落ちた。


――泣いてもいいんです。


ねえ、こんな私でも深月を思って泣いてもいいのかな。


世界一大好きな親友を思って。


――紗希……大好き。


こっちこそ大好きだよ、深月。