春、ゆらり舞い散る花びらに最後の餞別を

胡桃ちゃんは俯き、俊は呆然と座っている。


まあそりゃそうか、深月が私のこと“だけ”忘れてるって言われたらね。


「ま、そんな落ち込まないで」


うそ、そんなこと少しも思ってない。私は空気を読んでいるだけだから。


「紗希さんのバカッ」


バチッと音がするとともに頬にジンジンとする痛みが走る。


胡桃ちゃんが手を伸ばしているから、胡桃ちゃんが私のことをバカと言って頬をぶったんだろう。


痛くないはずなのにとてつもなく辛い痛みが走る。昨日の雨みたいに。