春、ゆらり舞い散る花びらに最後の餞別を

俊もいつもと違う私の様子に気付いたのか黙って椅子に座る。


「紗希さん、深月さんいないところで話すということはさっきのことについてですか」


胡桃ちゃんが発した言葉に対してコクッと頷く。


やっぱり話すのには勇気がいる。話してしまったらそれを現実って認めてしまうから。深月が私の事を覚えてないって認めてしまうから。


二人は息を呑んで言葉を待つ。


「深月は私のこと“だけ”忘れちゃったみたい」


その場を盛り上げるためにできる限り明るくおどけて笑ってみせる。私のせいで傷つけた深月に対する悲しみを消すように。