春、ゆらり舞い散る花びらに最後の餞別を

私は落ちた本を拾い個室の机に置いて扉に手をかける。振り返ると深月が何か言いたげにしている。


深月はあの二人のことはちゃんと覚えているから話したいんだろうな。話したいけど私がいるから話せない、なら私は邪魔者か。


はぁっと息をついて扉を開ける。後ろは見ずにいつもより速く歩く。そしてたどり着いたのは休憩室だった。


一番端の席に腰掛ける。すると予想通り俊が話しかけてきた。


「さっきのどういうことだよっ!」


いつもより焦って声量が大きくなっている。


「病院ではお静かに、でしょ」