春、ゆらり舞い散る花びらに最後の餞別を

ナースコールを押して医者を呼ぶと深月と一緒に診察室に行くよう言われた。


それでも私の頭は混乱しておかしくなっている。


医者から告げられたのは「記憶喪失」という名のものだった。


「おそらく深月さんは事故直前に貴女に対する強い思いを持っていたせいで、貴女の事だけ忘れています」


医者の言葉は混乱している私の頭には理解しがたかった。


強い思い?なにそれ、深月は私に何を思っていたの。


「事故直前の事を思い出すのは不可能と考えてください」