それから、季節は秋へと移り変わった。
あの日以来、瑠華は俺の姿を見かけると弾かれたように視線を逸らし、あからさまに遠回りをして俺を避けるようになった。
(あんな最低な場面を見られたんだ。…当然だよな)
俺は、瑠華が自分を避ける理由を''夏休みに告白を盗み聞きしてしまった気まずさ''と''約束を破った汚い俺への拒絶''だと信じ込んでいた。
俺の当時の彼女から強烈な牽制を受け、瑠華が傷つきながら身を引いていたことなど、知る由もなかった。
瑠華に拒絶されているという現実に打ちのめされながらも、俺自身もまた、罪悪感から瑠華の顔を直視できず、自らも視線を避けるようになっていった。
だが────
どれだけ互いに避け合い、存在を消し合おうとしても、俺の心の中心に居座り続けているのは、いつだって瑠華だけだった。
隣に彼女がいて、手を繋いでいても、一緒にカフェや買い出しに出かけていても、俺の意識はどこか遠くを彷徨っていた。



