顔を真っ赤にする桜子は、固唾を飲んで智也の言葉の意味を理解しようとした。
ただ、足元に落としてしまったエクレアが、もう元の形に戻らないことを察する。
「…智くん…」
吐息と吐息が交わるほどの近さになると、桜子は思わずギュッと目を閉じた。
「…桜子」
「はい…!」
名前を呼ばれて、桜子はパッと目を開ける。
「俺は桜子しか見てない昔も、今も…桜子は」
ヴーヴーと、智也のポケットからスマホのバイブ音が響いた。
桜子から離れた智也は、スマホを取り出して耳にあてた。
「…はい。黒崎です、お疲れ様です。…はい、えぇ。…はい、来週のミーティングで共有します。はい、はい…そのまま進めてください。今月末に先方にレポート提出とヒアリングをします。はい、よろしくお願いします。お疲れ様です」
智也が話す間に、エクレアを拾い上げた桜子。
少し潰れてもれ出たカスタードを見ながら、ゆっくり立ち上がる。
「……ひゃっ!」
「その格好で、俺の前をうろつかないでくれ」
「あ、歩くよ!重いし…!」
「…俺の目に悪い」
軽々と桜子を抱き上げた智也は、片方の手で冷蔵庫から飲み物を取り出し、ソファーへ桜子を下ろした。
置いてあった桜子の分のコップにジュースを注ぐと、桜子へ差し出して、隣に座った。
「ありがとう…」
エクレアが入った袋を膝に置いて、智也からコップを受け取る桜子。
「映画、何がいいんだ?」
テレビをつけた智也は、映像サブスクのアプリを開いて、アプリ内の検索画面を開いた。
「智くん…さ、さっきの意味って…なに…?」
「…俺は、もう桜子の思う幼馴染でも、ヒーローでもない」
桜子が持っていたコップの中の氷が、カランと音を立てて崩れた。
「……今も昔も、桜子が好きだ。これだけは変わらない」
智也の優しい眼差しが、桜子の心ごと掴んできたように感じた。
赤くなる顔の熱さと共に、胸の高鳴りに、智也の言葉を期待して待ってしまう。
ギシリ…と音を立てた智也が、背もたれに腕を置いて体ごと桜子へ向けた。
「桜子しかいらない」
フッと笑う智也は、真っ赤な顔の桜子の頬へ手を伸ばした。
ただ、足元に落としてしまったエクレアが、もう元の形に戻らないことを察する。
「…智くん…」
吐息と吐息が交わるほどの近さになると、桜子は思わずギュッと目を閉じた。
「…桜子」
「はい…!」
名前を呼ばれて、桜子はパッと目を開ける。
「俺は桜子しか見てない昔も、今も…桜子は」
ヴーヴーと、智也のポケットからスマホのバイブ音が響いた。
桜子から離れた智也は、スマホを取り出して耳にあてた。
「…はい。黒崎です、お疲れ様です。…はい、えぇ。…はい、来週のミーティングで共有します。はい、はい…そのまま進めてください。今月末に先方にレポート提出とヒアリングをします。はい、よろしくお願いします。お疲れ様です」
智也が話す間に、エクレアを拾い上げた桜子。
少し潰れてもれ出たカスタードを見ながら、ゆっくり立ち上がる。
「……ひゃっ!」
「その格好で、俺の前をうろつかないでくれ」
「あ、歩くよ!重いし…!」
「…俺の目に悪い」
軽々と桜子を抱き上げた智也は、片方の手で冷蔵庫から飲み物を取り出し、ソファーへ桜子を下ろした。
置いてあった桜子の分のコップにジュースを注ぐと、桜子へ差し出して、隣に座った。
「ありがとう…」
エクレアが入った袋を膝に置いて、智也からコップを受け取る桜子。
「映画、何がいいんだ?」
テレビをつけた智也は、映像サブスクのアプリを開いて、アプリ内の検索画面を開いた。
「智くん…さ、さっきの意味って…なに…?」
「…俺は、もう桜子の思う幼馴染でも、ヒーローでもない」
桜子が持っていたコップの中の氷が、カランと音を立てて崩れた。
「……今も昔も、桜子が好きだ。これだけは変わらない」
智也の優しい眼差しが、桜子の心ごと掴んできたように感じた。
赤くなる顔の熱さと共に、胸の高鳴りに、智也の言葉を期待して待ってしまう。
ギシリ…と音を立てた智也が、背もたれに腕を置いて体ごと桜子へ向けた。
「桜子しかいらない」
フッと笑う智也は、真っ赤な顔の桜子の頬へ手を伸ばした。



