私は莉緒の話に耳をかたむけながら、自分のアイスティーにシロップを入れた。


「でもさ、この前の時から別れるって言ってたじゃん。莉緒、付き合えば?」


さほど私は“彼方くん”に興味みはないけれど、とりあえず莉緒が食いつきそうな台詞をさらりと言ってのける。


「えー嫌…。だって彼方くんって、性格は良いんだけどタイプじゃないんだよね」


タイプって…顔?


それなら――

彼方くんって結構イケメンの部類に入ると思う。


だけど莉緒ってそういうの好きじゃない。

それとも、単に年下じゃないからとかだったりして…。