生真面目騎士様に抱きしめられないと眠れない、とても都合の良い不眠症。

 ああ。私は眠っている間に、とんでもないことになっていたのだわ。強い羞恥を感じて、顔に熱が集まった。

 確かにここ三日間、眠れないままだった。私はまったく記憶はないけれど、エリック殿下がここで嘘をつく理由はないので、きっとそうなのだろう。

「申しわけございません……」

 それに、少しだけ気になったのが、先ほどの騎士……ルシウス様以外の胸では、眠れないということだ。他の騎士でも試してみたけれど? どういうことなの?

「いや、眠れないのは辛いだろう。僕はオズワルドと親しく、可愛がっている姪の話もよく聞いていてね。不眠症で死んでしまうのは、あまりにも可哀想なので、夜だけこのルシウスを貸し出そうと思うんだ。何。部屋に見張り役がいれば、二人には何もない……僕が証言者になってもいい」

「……え! そ、それは、その」

 私はとんでもないことになったと思い、無言のままで傍に立っていたルシウスをみた。

 彼は無表情のままで何も話さないので、何を考えているかわからない。

 このことを嫌がっているのか、嬉しいと思っているのか。まったくわからない。