生真面目騎士様に抱きしめられないと眠れない、とても都合の良い不眠症。

 すぐ傍に王族がいるので距離を置いているのだけれど、私のお付きのメイド二人は部屋の隅で控えていた。

 その他にも部屋の中には何人かいて、エリック殿下が配慮してくれたのだと思われる。

 男性二人と年若い貴族令嬢を、共に密室におくわけにはいかないものね。

「それでだ。ステラ。君はルシウスにしがみ付き、実に八時間ほど眠り続けていた。いまは、すでに夕方だ。君のメイドから事情は聞いている。このところ、全く眠れなかったのだとか」

「……!! まあ。そうです。申しわけございません!」

 なんということなの! 私が眠りこけけていて、王族の足止めをしてしまっていたなんて……信じられないわ。

「ああ。僕も旧友に会ったり昔話に花を咲かせていたりと、特に暇をしていたわけではない。そこは、気にしないでくれ。問題なのはどうやら君はルシウスの腕の中には以外で眠ることのできないようなんだ。非常事態だったので、僕の護衛騎士何人かで試してみたが、ルシウス以外では眠れずに彼の服を離さないので、ここで休ませてもらうしかなかった」