生真面目騎士様に抱きしめられないと眠れない、とても都合の良い不眠症。

 予想していたようなお互い、裸……ではないけど! 目の前にいる彼の着ている服には、私は見覚えがあった。

 これって、王族を傍近くで警護する……近衛騎士の制服ではない?

「おいおい……無理もないが、耳がおかしくなると思った。ルシウス大丈夫か」

 揶揄うような男性の低い声が聞こえて、私は目線を上げた。

「……エリック殿下……?」

 信じられない。私のような男爵令嬢など、本来ならば一生会話することも叶わないであろう王族のエリック殿下だった。

「マッケンジー男爵令嬢ステラ。君は叔父であるオズワルド・マッケンジーの葬式で倒れてしまった……そして、ちょうど隣で最後の挨拶をしていた僕の護衛騎士ルシウス・ノワールの胸の中に倒れこんでしまったというわけだ」

「まあ……そうだったのですか。申し訳ございません」

 なんということ。

 私たち二人は長いソファにいてルシウスと呼ばれた騎士は、すでに立ち上がって直立不動の体勢となっていた。

 ここはおそらくは葬儀が執り行われた神殿の待合室のような場所らしく、女神像が置かれ絵画は神話の一場面で豪華な丁度が並んでいた。