生真面目騎士様に抱きしめられないと眠れない、とても都合の良い不眠症。

 私もそれはグレーテルから初めて聞いたのだけど、彼女には少々の介入でも動かせない未来が見えるらしい。

 けれど、彼女には自分のしたことの結果はあまり興味はなく、いきなり訪れた私に驚いていたわけだけど。

「だから、私を不眠症にして……ルシウス様に抱きしめられないと、眠れないからと……こうして毎晩眠らせてもらう状況になるのは、彼女には見えていたそうです」

「ああ。なるほど……そういうことですね」

 ルシウス様は静かに頷き、頰を少し赤くしていた。その理由は……私にもわかっていた。

 ……だからこそ、恥ずかしい。この先のことを伝えるのも。

「不眠症は……ルシウス様と私が結ばれれば、治るそうです。だから、その……そのですね」

 ルシウス様はそこで、パッと立ち上がった。

「わかりました。それでは、なんとかそれ以外で解ける方法を見つけましょう……まさか、そんなことになっていたとは知らず……ステラ様。申し訳ございません」

 早口で謝罪をしたルシウス様に、私は大きく息を吸った。言わないといけない。これを言わないと……だって、私はそれが嫌ではないからだ。