生真面目騎士様に抱きしめられないと眠れない、とても都合の良い不眠症。

 この魔女が私に妙な呪いをかけたことは間違いなく、ルシウス様にも大迷惑をかける原因になった人なのだ。状況的には嬉しかったことは認めるけど、許せないわ。

「ああ……! 思い出した! 思い出したよ。あの子だね。けど、どうして私がここにいるってわかったんだい?」

 私は後ろから続いて中に入ってきた騎士たちを振り返った。

「ルシウス様の主人であるエリック殿下の力を借りて、探しました」

 そうなのだ。私はすぐにグレーテルを探して欲しいとエリック殿下に頼み、彼は快く協力してくれた。

 『結婚式の証人をさせてくれるなら』というわけのわからない要求をされたけど、もうこの際どうでもいいわ。

 グレーテルを見つけ出して、どうにかしてもらうことが先決よ!

「ははあ。王族に頼み込んだのかい。確かに、ルシウスは近衞騎士だったね」

 グレーテルは呆れたように言い、私はその言い方がなんだか引っかかった。恨みを抱いて悪さを働いた魔女にしては、妙に軽い言い草だったからだ。

「どうして、こんなことをするんですか!? 私のせいでルシウス様が不眠で死んでしまいます!」