普通の貴族だと思って結婚したら、身分を隠して潜伏する王太子様でしたー!? ……離婚します!

 素っ気なく言って私は立ち上がり、私は部屋を出た。

 自分が着ている重い白い結婚衣装が、やたらと滑稽に思えた。これを選んだ時の私は、満足していた。

 幸せになれると思ったし、実家のあれこれからようやく逃げられると思ったのに。

 通常ならば、今夜は夫婦として結ばれる初夜だったけれど、白い結婚を理由に離婚するのなら、その予定もなくなってしまったわ。

 胸を高鳴らせていた自分が、なんだか馬鹿みたいだった。

 いいえ。あと二年……二年我慢すれば、私は自由になって素敵な結婚相手を見つけるのだわ。自分でいうのもなんだけど、莫大な持参金があるので、結婚相手には困らない。

 初婚ではないので、あまり条件は良い男性は望めないかもしれないけれど、その方が良いわ。

 誰にも羨まれず、狙われることのない生活がしたい……これまでの人生で、私はそれが出来なかったから。


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「さっき……足を引っ掛けられましたわ」

 私は形ばかりの夫たるアルベルトの腕に手をかけながら、はあっとため息をついた。