普通の貴族だと思って結婚したら、身分を隠して潜伏する王太子様でしたー!? ……離婚します!

 実際、幼いころから続く財産目当ての男性の相手をするのは、いい加減嫌になってきた……から、信頼している伯父が薦めるなら人柄には問題ないだろうと受けただけだ。

 アルベルトの顔が髭だらけでも肥満体型でも、私のほうは良かったのだ。

 美形の男性だと知り心密かに喜んだけれど……まさか、身分を隠した美形の王子様だなんて、全く思っても見なかった。

 エルトン伯爵令嬢であるという面倒から逃げようとして『面倒事』の権化のような身分を隠した王太子様と結婚することになるなんて。

 絶対に、嫌よ。私は穏やかな生活がしたくて、結婚するんだから。

「ええ……なので、結婚を決める前提条件に虚偽の事項が含まれていますわ。どうか、離婚させてください」

「……それは、無理だよ。ルリア。僕は王族なので離婚するには、それなりに確たる理由を要する。それに、僕を詐欺師と訴えることは、あまりおすすめしないね……父も君ならばと、了承した結婚だ」

 その時に微笑んだ、アルベルトの青い目。私は彼に見つめられて、自然にゾワッと鳥肌が立ってしまった。