普通の貴族だと思って結婚したら、身分を隠して潜伏する王太子様でしたー!? ……離婚します!

 全てを諦めたような表情。私は思わず声をあげていた。

「待って! 待ってください。その……そうです。もちろん、条件が大事なことは変わりありません! けど……」

 ……そうよ。たとえ困難すぎる道だとしても、愛し愛されているのなら……それは、それで話が変わってくるのでは?

「僕は知っての通り、君が大嫌いな『面倒な』王子だけど、良いの?」

 アルベルトは肩を抱いて私の顔を覗き込んだ。近い。なんだか恥ずかしい。視線を外しながら、私は答えた。

「わかっています……その、少し考えても良いですか?」

 いま知ったいろんな情報が、あまりにも多すぎて……そうよ。私もちゃんと考えなければ、目の前にいて静かに微笑む王子様との未来とか。

 ……私もこの人のこと『面倒事』を飛び越えても、好きになれるかどうかとか。


Fin