未完成ハーモニー ー5色の小鳥は共鳴するー

それほど、レナちゃんに沼っていた私の小学校時代は、つい最近幕を閉じた。

☆     ☆     ☆

「まさか、琴莉(ことり)があの桐生院学園(きりゅういんがくえん)に入学しちゃうなんて⋯⋯びっくりだな」

「お姉ちゃん、いちばん驚いてるのは私だからね? 今心臓バックバクだからね?」



入学の準備を行っていると、お姉ちゃんが横からすっと現れた。

確かに、私だって”あの”桐生院学園の入学試験に合格しただなんて、まだ信じられない。

合格倍率が五十倍とかいう変な噂も聞いたし⋯⋯。



「雛乃(ひなの)、琴莉(ことり)〜! もう遅刻の時間になっちゃうでしょ! 早く行きなさーい!!」



リビングの方からお母さんの怒鳴り声が聞こえて、私とお姉ちゃんは急いで玄関へと向かった。

ちなみに、雛乃(ひなの)というのはお姉ちゃんの名前だ。



「よぅし⋯⋯絶対、ぜーったいに! アイドルになってやるんだから〜!」



天宮琴莉(あまみやことり)、十二歳。

今日から私は⋯⋯アイドルを目指します!!