四月から小学一年生になる夕顔。



なんだか様子がおかしい。


お祝いにもらったランドセルを喜んで背負っていたのに、



ピンクのランドセルがない。



「夕顔ランドセルどうしたの? 」



「いらないからしまった。」


「要らないって夕顔四月から小学校へ通うんだよ。


要らない訳ないでしょ!」


「夕顔小学校へは行かない。


みーたんとうちにいる。」


何バカな事言ってるの。



「夕顔ママの顔を見て、夕顔はもうすぐ7才なるんだよ。


みーたんは赤ちゃんだからおうちにいるんだよ。


夕顔はもう大きいんだからね。学校へ行かないと駄目なの。」



夕顔が泣き出した。



「夕顔もみーたんみたいな赤ちゃんになりたい。


オムツして寝てたい。」



もうなんてバカな事言うの!



「夕顔いい加減しなさい。でないとママ怒るよ。」



「ママなんて大嫌い!」



夕顔が自分の部屋に鍵をかけてしまった。



一輝に電話しようか悩んだ。



やっぱ止めて置こう。



夕顔もお腹が空けば部屋から出てくるだろうと、



安易に私は考えていた。