ファーストフードショップは混んでいた。
恋を巡る五角関係の全員が恋抜きでこうして揃うのは初めてかもしれなかった。
注文を終えて席へ向かうとと、翔が宗介を見あげてにやりと笑った。
「どないね?。調子は」
「別に。まあまあ」
「あっそ。聞かんきゃ良かった。まあまあ……悪いとええね」
「うざいんだよ。僕に絡んでくるな。迷惑。」
「ほんなら言って良いんやね?」
「何を?」
律が聞くと、宗介が忌々しげなため息をついた。
「狐ってバレた。恋がアイス屋で変身して」
宗介がバーガーの包みを開きながら淡々と言うと翔が目を見開いた。
「あ、その事。僕知ってます」
「僕も。最初から知ってたけど。」
美風と律が言うと憎々しげに翔が舌打ちした。
「そういう協定。結んでるんだ。」
美風が恋を守る約束を話すと、翔は興味なさげにふーん、と一言。
「嫌や。ワイは」
「なんで」
「ワイ一人のものにならんならバラす。それでええ。」
宗介は思わず立ち上がって、翔の胸ぐらを掴んだ。
「なんや」
鋭い目つきで宗介を見返した翔は手で宗介の手を払った。
「嫌や。ワイのもんにしたるって決めてん。宗介、譲れや。払っちゃるきに」
「金なんか要らねえんだよ。」
宗介が毒づいて、てのひらを拳にした。
「あかん。荒事は好かん」
翔はペロっと舌を出して、
「嘘や。荒事大好物。来や」
と人差し指を立ててありがちな挑発をした。
美風が呆れ顔で、
「馬鹿じゃないの」
と呟いて、アイスティーを一口飲んで、
「店に迷惑だよ」
と辺りを眺め興味なさげに言った。



