ファーストフードショップは混んでいた。
4人席に腰掛けた時、律はまだ食べる気だった。
宗介が注文を終えて、席へ着くと、翔がにやりと笑った。
「どないね?。調子は」
「別に。まあまあ」
「あっそ。聞かんきゃ良かった。まあまあ……悪いとええね」
「うざいんだよ。僕に絡んでくるな。迷惑。」
「ほんなら言って良いんやね?」
「何を?」
律が聞くと、宗介が忌々しげなため息をついた。
「狐ってバレた。恋がアイス屋で変身して」
宗介が淡々と言うと翔が目を見開いた。
「あ、その事。僕知ってます」
「僕も。最初から知ってたけど。」
美風と律が言うと憎々しげに翔が舌打ちした。
「そういう協定。結んでるんだ。」
美風が恋を守る約束を話すと、翔は興味なさげにふーん、と一言。
「嫌や。ワイは」
「なんで」
「ワイ一人のものにならんならバラす。それでええ。」
宗介は思わず立ち上がって、翔の胸ぐらを掴んだ。
「なんや」
鋭い目つきで宗介を見返した翔は手で宗介の手を払った。
「嫌や。ワイのもんにしたるって決めてん。宗介、譲れや。払っちゃるきに」
「金なんか要らねえんだよ。」
宗介が毒づいて、てのひらを拳にした。
「死にてえのかよ」
「あかん。荒事は好かん」
翔はペロっと舌を出して、
「嘘や。荒事大好物。来や」
と人差し指を立てて挑発した。
美風が呆れ顔で、
「馬鹿じゃないの」
と呟いて、アイスティーを飲んだ。



