恋は、どっちつかずだった。
宗介と言ったり翔だと言ったり、美風の前では美風と言ったり曖昧で、それが逆に宗介の恋心を燃え立たせていた。
宗介は、電話で恋が狐になった事を翔から聞いていた。
翔は余裕綽々な口ぶりで、さも恋が自分に好意があるかのように言ったので、宗介は腹を立てていた。
リビングで雑誌を読んでいた時スマホが鳴って、宗介は通話を押した。
誰からの電話か先に見なかったが、電話口の明るい声を聞いて、宗介はげんなりした顔をした。
「もしもし、ワイや」
「……なに」
「いや、たまたま美風も律もワイも揃ってるきに、1回みんなで話しとこうや、って。恋についてな」
「お前と話すことなんかない。馴れ合いみたいな事迷惑なんだよ」
「……ええけどな。ワイは。どっちでん」
「何が」
「ほな狐……バラすで。断るなら。」
「!」
スマホの向こうで翔がにやりと笑った。
宗介は忌々しげにため息をつくと、翔達が今居る場所を聞いた。



