恋達が通された部屋は2階の大広間だった。
部屋の真ん中に、大きなテーブルと椅子が並べられている。
「テーブルは業者を呼んでレンタルしたんです。」
うららが美風に言った。
「今日は親衛隊と新聞部合同で、新田恋も交えて座談会をする予定です。はじめに隊規の朗読を行う予定なんですよ。大事な会合です。」
「うわ隊規とか……本格的。僕本式に親衛隊の事馬鹿にしそう」
「僕も。みんな頭おかしいんだ、女子は。どうにかならないの。」
宗介と美風はぼやき合って、暗い表情をしている。
「着席」
マイクを持ったうららが号令をかけた。
恋は宗介と美風の間に座った。
「はじめに、隊規朗読、篠田雅」
「隊規を朗読させて頂く篠田雅です。一番の推しは黒王子です!」
「要らん事言うな」
「サブの推しは姫。平和にカプ推ししてます」
宗介のツッコミに笑顔の篠田さんは一度咳払いしてから隊規を朗読し始めた。
「1.黒白王子を愛する。
2.黒白王子を愛でる。
3.黒白王子を好きだと思う。」
「全部同じ意味だし」
美風が呟いた。
「4.黒白王子に愛着を持つ。
5.黒白王子に執着する。
6.黒白王子を祀る。」
「ストーカー。執着すんな」
宗介が呆れ顔で呟いた。
「7.黒白王子を追う。
8.黒白王子を狙う。
9.黒白王子を追ってつけ狙う。
10.黒白王子を超追って超つけ狙う。」
「なんか最後の方ヒートアップしてますね」
「犯罪やね。」
「どちらかと言うとファンよりはヒットマンに近いね」
律と翔と理央がうなずき合っている。
「以上、篠田雅でした。姫に関する協定の規約もありますが、今日は割愛させて頂きます。私、全規約暗記してるんですよ。」
篠田さんが朗読を終えると20名ほどの座って居た親衛隊達が拍手をした。
「議長、黃崎うららです。今日の議題はずばり、黒白王子と親衛隊の今後について。黒白王子の意見を聞いて、参考にしたいと思います。黒王子、一言どうぞ。」
「……。悪いけど、迷惑なんだよね。今後は親衛隊活動は辞めてもらいたいと思ってる。それを申請したい。」
「それは無理ですね。それでは、次、白王子どうぞ。」
「僕も上野と同じで、派手な親衛隊活動は停止して欲しいと思ってる。」
美風が口を開いた。
「写真撮られるの大嫌いだし、困るんだ。悪いんだけど、解散……」
「それは無理です。ご意見ありがとうございました。」
さらりと言ったうららのあまりの却下の早さに、宗介が怒り笑いで言った。
「僕達の意見なんか、これっぽっちも参考にする気ないじゃんか。」
「分かってたけど、虚しい。どうせ家に呼びたかっただけなんだから。」
美風がげんなりした顔で言った。
「黃崎邸では、これよりケーキでお茶会となります。」
うららがマイクで言った。
「皆様ごゆっくり。この機会に交流を深めましょう。」
うららがマイクを置いた。



