その日の夜。リリーは広いベッドの上で、心地よい疲れに包まれながらうとうとしていた。
まどろみの中へ沈みかけた頃、扉が静かに開き、足音を忍ばせたオーガストが入ってきた。
「……昨晩もそうだったが、主人を待とうとは思わないのか?」
「わたくしを夫人として扱わないと仰ったのは旦那様ではないですか」
リリーは小さなあくびをこぼしながら答えた。
隣に寝転ぶオーガストの腕を勝手に持ち上げて枕代わりにすると、そのまま目を閉じる。
「あなた様がわたくしを夫人として扱わないのであれば、わたくしもあなた様を夫として扱いません。それに、まだ婚儀も挙げておりませんしね。オーガスト様、あったかくていいですね。昨日からこうしておけばよかったですわ。おやすみなさい」
「……おやすみ、リリー」
リリーは言いたいことだけ言うと、オーガストの胸板へ頬を寄せた。寝入る直前、髪に何かが触れた気がしたが、確かめるために目を開ける元気はなかった。
オーガストの腕の中は、昨日と同じように心地よく、驚くほどよく眠れる。
まどろみの中へ沈みかけた頃、扉が静かに開き、足音を忍ばせたオーガストが入ってきた。
「……昨晩もそうだったが、主人を待とうとは思わないのか?」
「わたくしを夫人として扱わないと仰ったのは旦那様ではないですか」
リリーは小さなあくびをこぼしながら答えた。
隣に寝転ぶオーガストの腕を勝手に持ち上げて枕代わりにすると、そのまま目を閉じる。
「あなた様がわたくしを夫人として扱わないのであれば、わたくしもあなた様を夫として扱いません。それに、まだ婚儀も挙げておりませんしね。オーガスト様、あったかくていいですね。昨日からこうしておけばよかったですわ。おやすみなさい」
「……おやすみ、リリー」
リリーは言いたいことだけ言うと、オーガストの胸板へ頬を寄せた。寝入る直前、髪に何かが触れた気がしたが、確かめるために目を開ける元気はなかった。
オーガストの腕の中は、昨日と同じように心地よく、驚くほどよく眠れる。



