俺は、覚悟を決めてドアを三回ノックする。
「失礼します。藤宮千聖です。」
すると、部屋の中から
「ああ、千聖?いいよ入って。」
とのんきそうな声が聞こえる。
いつも、なんでこの人が俺の主人なのだろうかと思ってしまう。
まあ、でも一応億万長者っぽいからすごい人なのだろう。
ガチャ___
ドアを開ける。
あたりを見渡すと、そこら中にかなりお高そうなものが広がっている。
いつ来ても、ほんと緊張するな、、
まあ、今回はいつもの緊張とはちょっと違うけど。
「んで、千聖。こんな夜に何の用だ?もしかして、夢恋に何かが!??」
こんなおじさんっぽい人がイケメンクール俳優と言われていたのがいまだに信じられない。
夢恋も大変だろうな。
こんなおじさんが親で。
「いや、夢恋はいつも通り元気ですよ。ただ、"僕"が聞きたいのは夢恋の今後の活動についてです。」
ビクッと主人の体が動く。
これで、怒られずにスムーズに進むといいな。。
「夢恋から聞いていたのか。なら、話は早い。お前にもわかるだろう?お母さんみたいな悲惨な人生を送ってほしくないんだよ。」
「まあ、たしかにそうですね。でも、夢恋の夢を勝手に奪うのはよくないと思います。」
「それは思うけど、でもやっぱりわが子の安全が大事じゃないかあ。」
それは、否定できない。
でも、、俺は決めたんだ。
「でも、いくらなんでも残酷です。いきなり、辞めさせないであげてください。」
「千聖……」
ご主人様が俺のことをじっと見つめてくる。
瞳がぐらぐらと揺れている。
「お願いします。」
「っ……まあ、お前の言うこともわかったよ。とりあえず、もう今日は寝なさい。」
「はい、夜遅くにすいませんでした。おやすみない。」

