俺様御曹司はご乱心


「他の男に餌付けされてんじゃねぇよアホたぬき」

「……ぐうの音しか出ません。“ぐう”」

 はぁーーーー、こんっの女はよぉ。

「お前さ、この状況でよくふざけれるよな。浮気疑惑浮上したってのに」

「ス、スミマセン……」

「ったく。俺が一生はち切れんばかりに飲み食いさせてやっから安心しろ」

「太るじゃん」

「べつにいいんじゃね?」

「無責任」

「お前が太ろうが俺には関係ねえ」

「はあ!? ひどくない!?」

「あ? なにキレてんだよ」

「関係ねえってなによ!」

「お前が太ろうがどうなろうが七瀬は七瀬だろ。外見がどうなろうが気にしねぇよ、健康ならな。だいたい男と違って構造的に女って太りやすいとかあんじゃねぇの? 仕方ねぇじゃんそんなのって話」

 ちらっと七瀬に視線を向けると、キラキラした瞳で俺を見上げていた。

「あんた、ほんっとそういうところよ」

「あ? なに」

「九条のそういうところ、大好き」

 にひっと屈託のない笑みで俺を見つめる七瀬。

 ったくさぁ、ほんっとそういうとこだぞお前。

「無防備すぎ。襲うぞ~」

「なっ、はあ!? なに言ってんの!?」

「隅々まで食っちまうぞ~。べろべろーんっと」

「恥ずかしいからやめてくれる?」

「セックスしようぜ~」

「ちょ、アホなの!?」

「ならちゅーは? ちゅーしてい?」

「はい!? ここ外ね!?」

「んじゃ今すぐホテル行って腰砕けるまでちゅーしようぜ~」

「バッッッッカじゃないの!?」




 結局、ドエロいちゅーすらお預けを食らう俺であった──。