『氷の王子は、地味子のパレットに溺れたい』

そのとき。

如月くんの親指が画面に触れた。

一瞬だけ別の画面が見えた。

黒いアイコン。

見覚えのあるプロフィール画像。

そして。

『R_K』

「…………」

息が止まった。

頭の中が真っ白になる。

R_K。

R_K?

え。

待って。

私の投稿に毎回秒速でいいねして。

限定グッズを買って。

私が何気なくおすすめした本まで探しに来て。

私の絵の色を誰より細かく見て。

毎回、信じられないくらい熱い感想を送ってくれる。

あの。

R_Kが。

私はゆっくり顔を上げた。

さらさらの茶髪。

冷たい三白眼。

泣きぼくろ。

学校中の女子を一秒で振る、氷の王子。

(――如月くん!?)