『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』

少し落ち着いたところで、俺は神楽から母さんへ視線を移した。

「母さん。そろそろ窓路呼んでくれよ」

「ここへ?」

「ああ。自分で呼んでも出ねぇんだよ、あいつ」

『それはそうだろうね』

 神楽がさらりと言う。

「何で」

『今の窓路、自分から軍釟の前に出たら絶対怒られるって分かってるから』

「当たり前だろ!」

 死神部門を丸ごと止め、俺の手当書類まで止め、意味の分からないメッセージだけ送りつけて逃げている。

 もう、本人から直接聞くしかない。

 母さんがくすっと笑った。

「昔から本当に変わらないわねぇ、あなたたち」

「何が」

「軍釟と窓路よ」

 そう。

 窓路は母さんの弟だ。

 つまり俺にとっては叔父ということになるのだが、昔から近すぎるせいで、そんな感覚はほとんどない。

 年齢や血縁より先に、幼馴染であり、昔からの友人。

 そして今は、猛烈に腹の立つ死神部門長だ。