『冥府の門番は今日も忙しい!――聞いてないぞ! 死神が仕事放棄とか!――』

そこで俺は、朝に母さんから聞かされたもう一つの話を思い出す。

「そういや、窓路が俺の手当の申請書類を止めてたって話」

 母さんと親父を見る。

「……あれ、何なんだよ」

 母さんは少し困ったように眉を下げた。

「詳しい理由までは分からないの。ただ、申請書類が窓路のところで止まっていたのは確かよ」

「死神部門長が、何で俺の手当の申請握ってんだよ」

「だから、それを本人に聞きなさい」

「呼んでも出ねぇんだよ、あいつ」

 神楽から、少し笑っているような気配が伝わる。

『たぶん、自分から軍釟の前へ出るつもりはないんじゃないかな』

「何で」

『怒られるって分かってるから』

「当たり前だろ!」

 死神部門を丸ごと止めたうえに、俺の手当書類まで止め、意味の分からないメッセージだけ送りつけて逃げている。

 どう考えても、窓路は何かを仕込んでいる。